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自社株の生前贈与、いつやるべき?株価が低いタイミングを見極めて税金を抑える

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「そろそろ息子に株を譲りたいが、顧問税理士に試算してもらったら、贈与税が数千万円かかると言われた」

優良企業のオーナーほど、この「自社株の評価額高すぎ問題」に直面します。
非上場企業の株価は、会社の利益や純資産に連動するため、業績が良い時に譲渡すると、税金で資産の大部分を持っていかれます。

しかし、経営には波があります。
賢い経営者は、あえて「会社の業績が悪い時(株価が下がった時)」を狙って、一気に後継者へ株を移します。

今回は、自社株贈与のベストタイミングと、合法的に株価を下げて税金を圧縮するテクニックについて解説します。

自社株贈与の鉄則:「株価が低い時」にやる

上場株式なら「安い時に買って高い時に売る」のが鉄則ですが、事業承継においては「安い時に(子供に)あげる」のが鉄則です。
株価が半分になれば、支払う税金も半分で済むからです。

狙い目のタイミングはいつか?

具体的には、以下のタイミングが「贈与のチャンス」です。

1. 業績が一時的に悪化した年度

赤字決算や、突発的な損失が出た年度は、類似業種比準方式における「利益」の要素が下がるため、株価が大幅に下落する可能性があります。
「赤字だ、大変だ」と嘆くのではなく、「今こそ株を移す好機だ」と捉え直してください。

2. 多額の退職金を支払った直後

詳しくは『役員退職金の節税効果』でも解説しますが、先代社長に高額な退職金を支給すると、会社にとっては「巨額の経費」となり、利益と純資産が圧縮されます。
この「株価がガクンと下がった瞬間」を狙って、後継者に贈与を行うのが王道のスキームです。

3. 含み損のある資産を売却した時

値下がりした不動産や、不良在庫を処分して「売却損」を出した年度も、株価引き下げのチャンスです。

贈与の方法:「暦年贈与」か「相続時精算課税」か

タイミングを見極めたら、どの制度を使って贈与するかを選びます。

暦年贈与(コツコツ型)

年間110万円の基礎控除を使って、毎年少しずつ株を渡す方法です。
株価が高い会社では「焼け石に水」になりがちですが、時間をかければ確実に資産を移転できます。

相続時精算課税制度(一括型)

2,500万円まで非課税で贈与できる制度です(超えた分は一律20%)。
「今は株価が低いが、将来は確実に上がる」という局面では、この制度を使って「低い株価のまま」ロックして贈与してしまうのが有効です。

注意点:税務署は「意図的な株価下げ」を見ている

ただし、露骨すぎる株価対策はリスクがあります。
「贈与の直前だけ急激に利益を減らし、贈与直後にV字回復させる」といった操作を行うと、税務署から「租税回避行為」とみなされ、否認される(追徴課税される)恐れがあります。

あくまで「合理的な経営判断の結果、株価が下がった」というストーリーが必要です。

事業承継税制という「切り札」もあるが…

「贈与税・相続税を実質ゼロにする」という強力な制度(事業承継税制)もあります。
しかし、『事業承継税制のデメリット』で警告した通り、これは一度適用すると後戻りできない「悪魔の契約」になりかねません。

まずは「株価引き下げ+通常の贈与」で対応できないかを検討し、どうしても無理な場合の最終手段として考えてください。

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まとめ:株価はコントロールできる

自社株の評価額は、市場が決めるものではなく、計算式によって決まるものです。
つまり、ある程度は経営者の意思でコントロール可能なのです。

漫然と経営して株価を吊り上げてしまい、将来子供を苦しめるのか。
それとも、計画的に株価を下げて、スムーズにバトンを渡すのか。
社長の最後の仕事は、会社の「しまい方」と「渡し方」のデザインです。

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