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老舗旅館・ホテルの売却案件が急増中|インバウンド需要でボロ物件が高値に化ける可能性

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「建物は老朽化し、雨漏りの修繕費も出ない。後継者もいないし、このまま廃業して更地にするしかないか…」

地方の温泉街や観光地で、そう諦めている旅館オーナー様。その決断は、数千万円、あるいは数億円の機会損失かもしれません。

今、インバウンド(訪日外国人)需要の回復と歴史的な円安を背景に、「日本の古い旅館・ホテル」が投資家たちに爆買いされています。
日本人にとっては「ただのボロ物件」でも、海外投資家にとっては「得難いヴィンテージ資産」に映るのです。

今回は、宿泊施設のM&A市場が沸騰している理由と、古くても高く売れる物件の条件について解説します。

なぜ「ボロ旅館」が飛ぶように売れるのか

理由は明白です。買い手は「建物の綺麗さ」ではなく、以下の3点を評価しているからです。

1. 「旅館業許可」という既得権益

現在、新規で旅館業の許可を取得するのは、建築基準法や消防法のハードルが高く、非常に困難です。
既存の旅館を買収すれば、その「営業許可」をそのまま引き継げます。買い手にとって、これだけで数千万円の価値があるのです。

2. 圧倒的な「円安」による割安感

詳しくは『クロスボーダーM&A』でも解説しましたが、ドルベースで見れば、日本の不動産はバーゲンセール状態です。
数億円かけてリノベーションする資金力のある海外投資家にとって、取得費用(物件価格)が安いことは最大の魅力です。

3. 「体験」を求めるインバウンド需要

外国人観光客が求めているのは、ピカピカのビジネスホテルではなく、畳、温泉、日本庭園といった「日本独自の体験」です。
築50年の木造建築は、彼らにとっては「再現不可能なアート」であり、高単価なラグジュアリーホテルに再生可能な原石なのです。

高く売れる物件、3つの条件

もちろん、全ての廃墟が売れるわけではありません。買い手がつく物件には共通点があります。

① 温泉(源泉権利)がある

温泉は最強のコンテンツです。特に「源泉かけ流し」や「露天風呂」の権利を持っている場合、建物がどれだけボロボロでも、土地と権利だけで高値がつきます。

② 立地に「ストーリー」がある

駅近である必要はありません。「秘境」であることや、「海が見える」「富士山が見える」といった独自の景観(ビュー)があれば、アクセスが悪くても富裕層向けリゾートとして再生可能です。

③ 土地が所有権である(借地でない)

海外投資家は、建物だけでなく「土地の所有権」を重視します。借地権の場合、地主との交渉が複雑になるため、敬遠される傾向にあります。

「修繕」してから売る必要はない

「雨漏りを直してからじゃないと売れないのでは?」と心配するオーナーが多いですが、その必要はありません。
「現状有姿(そのままの状態)」で売ってください。

買い手は、自分たちのコンセプトに合わせてフルリノベーションすることを前提に買収します。
中途半端に数百万円かけてリフォームしても、買い手からすれば「解体費用が増えるだけ」になりかねません。直さずに、その分価格を下げて売るのが正解です。

廃業コストをかける前に、査定に出そう

旅館を廃業して更地にする場合、解体費用だけで数千万円かかることも珍しくありません。
M&Aで株式譲渡(または事業譲渡)すれば、解体費用はゼロ。さらに売却益が手に入ります。

「ウチのようなボロ宿、恥ずかしくて人に見せられない」というプライドは捨ててください。
その古さこそが、世界の投資家が求めている「日本の宝」かもしれないのです。

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まとめ:暖簾を下ろす前に、バトンを渡す

先祖代々受け継いできた旅館を、自分の代で潰すのは忍びない。
そう思うなら、資本力のある企業にバトンを渡し、名前を残す道を選んでください。

リノベーションされ、外国人客で賑わうかつての我が家を見ることは、更地になった跡地を見るよりも、きっと幸せなはずです。

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