「いつか引退しようとは思っているが、日々の資金繰りと現場対応に追われて、自分の老後のことなど考える暇がない」
多くの中小企業経営者が、そう言って70代、80代まで働き続け、最後は病気や体力の限界で「廃業」を選びます。
しかし、それではあまりにも寂しいと思いませんか?
一生懸命育てた会社です。最後は「M&A(会社売却)」で数億円のキャッシュ(創業者利益)に変え、悠々自適なセカンドライフを送る。
これこそが、資本主義社会における経営者の「あがり(Exit)」です。
今回は、会社を売却して「老後資金2億円」を作るためのロードマップと、リタイア後の資産防衛について解説します。
なぜ「2億円」なのか?
「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、経営者の生活水準で2,000万円は少なすぎます。
ゆとりのある生活、夫婦での世界旅行、孫への教育資金、そして高度な医療ケア…。これらを心配なく享受するために、一つの目安となるのが「金融資産2億円(富裕層の入り口)」です。
「ウチのような中小企業で2億も作れるわけがない」と思いますか?
実は、役員報酬で2億貯めるのは至難の業ですが、「会社売却」なら一発で届く可能性があります。
「廃業」と「売却」の天国と地獄
引退時の手残りは、選び方でこれだけ変わります。
パターンA:廃業(清算)
資産を売り払い、借金を返し、従業員に退職金を払い、解体工事費を払う。
詳しくは『廃業費用の現実』でも書きましたが、手元に残るのは「小銭」か、最悪の場合は「個人の借金」だけです。
パターンB:M&A(売却)
「のれん代(営業権)」が評価されます。
純資産が1億円で、年間利益が3,000万円の会社なら、「1億 +(3,000万 × 3年分)= 約2億円」で売れる可能性があります。
しかも、税金は分離課税の約20%で済みます。
Exitプランの実行手順
2億円を作って引退するためには、逆算して準備する必要があります。
3年前:磨き上げ(Badの排除)
赤字部門の整理、不要な在庫の処分、そして「社長がいなくても回る仕組み」作りです。
買い手が安心して買える状態にしておくことで、株価(バリュエーション)を最大化します。
1年前:アドバイザー選定とマッチング
自社の強みを高く評価してくれる買い手を探します。
『相場計算』を行い、安売りしないよう交渉します。
直前:節税スキームの実行
『退職金スキーム』などを活用し、手取り額を最大化する契約を結びます。
売却後の「資産寿命」を延ばす
会社を売って2億円の現金が入っても、散財しては意味がありません。
インフレリスクに備え、資産運用で「お金に働いてもらう」フェーズに入ります。
仮に2億円を年利4%(手堅いインデックス投資や債券など)で運用できれば、元本を減らさずに「年間800万円(税引後約640万円)」の不労所得が入ります。
これに公的年金を加えれば、資産を減らすことなく、豊かな生活を永続させることができます。
「生涯現役」は美しいが、選択肢を持つべき
死ぬまで働くことは素晴らしいですが、「働かざるを得ない」のと「働かなくてもいいが、好きだから働く」のとでは、心の余裕が全く違います。
M&Aで経済的な自由を手に入れた後、ボランティアで若手経営者の顧問をしたり、趣味の店を道楽で始めたりする元社長も大勢います。
それが本当の意味での「自由」ではないでしょうか。
▼あなたの会社の「Exit価格」を知る
まずは、今の会社がいくらで売れるのか、市場価値を知ることから始めましょう。M&A業界に詳しいエージェントに、直近の相場や事例を聞いてみてください。M&A BEGINNERS 公式サイト
最後に:経営者の最高の引き際
創業し、荒波を乗り越え、雇用を守り続けてきたあなたには、最後に「大きな果実」を受け取る権利があります。
会社を売ることは、従業員の未来を守り、取引先を守り、そしてあなた自身の家族を守る「三方よし」の決断です。
最高のExitを目指して、今日から準備を始めましょう。
あなたの第二の人生が、輝かしいものになることを願っています。
